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「ちえの輪倶楽部」は、音楽教育家・北村智恵を中心とした、ピアノ指導者サークルです。
音楽セミナーやイベント、コンサートを企画・運営、またピアノ指導者のネットワークづくりを行っています。

会員レポート

第12ちえの輪セミナー「ドビュッシーのエッセンス」

2012年11月20日

新しい音楽はわかりやすい音楽だった
 「ドビュッシーといえは、ジャポニズムということで、今日は"おばあちゃん"の羽織を仕立て直したものを着て来ました。」とおっしゃりながら智恵先生が登場されると、その美しい紫のグラデーションで会場が一気に華やかになり、講座が始まりました。
 前半は、当日配られた略年表を見ながらドビュッシーの生涯が語られ、後半は、「2つのアラベスク」と「子どもの領分」の演奏でした。ジャポニズムは、「ゴリウォーグのケークウォーク」で話題になり、メロディーが陰旋法でできていることを教わり、また、CDで長唄「越後獅子」を聴くと、三味線と太鼓のにぎやかなリズムが、なんと、ゴリウォーグのテーマのリズムとまったく同じでした。これは偶然ではなく、1889年と1900年にパリで行われた万博で日本人によって音楽が演奏されているので、ドビュッシーもきっと日本の音楽を聴いたにちがいない、ということでした。(1900年万博で演奏されたオッペケペー節の貴重な録音も聴かせていただきました。)
 また、中間部にも面白い表現がありました。61~63小節の右手にワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」の冒頭のフレーズが引用され、さらにその後のa tempoの装飾音符のついたフレーズは、嘲笑を表しているというのです。ドビュッシーは、若い頃はワーグナー崇拝者でしたが、その後ワーグナーの音楽に見切りをつけて、別の新しい道を歩み始めます。1908年に作曲されたこの曲は、「子どもの領分」として、娘シュシュに捧げられた曲でありながらも、ワーグナーの仰々しく押しつけがましい音楽を古臭いものとして鼻で軽くあしらうという風刺になっているのです。会員の北聖子さんがワーグナーのフレーズを重々しく演奏し、次のフレーズでは先生が隣で「フフン!」と鼻をならすと音楽がそのように聴こえてきて、会場は笑いに包まれ、みんなでドビュッシーの表現を楽しみました。
 ドビュッシーについては難解な印象をもっていましたが、古いルールにしばられずにそのまま音で表現したいという彼の気持ちを理解すると、とてもわかりやすく思える部分が今回はたくさんありました。敬遠せずに、これからは柔軟な頭と心で楽しんでいきたいと思いました。
(事務局 M.M.)




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