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「ちえの輪倶楽部」は、音楽教育家・北村智恵を中心とした、ピアノ指導者サークルです。
音楽セミナーやイベント、コンサートを企画・運営、またピアノ指導者のネットワークづくりを行っています。

使っています!

時間をかけて ゆっくりと

 Aちゃんは去年の春から私の教室へ通っている小学1年生。自分の意見をはっきりと言うことができ、おしゃべりの好きな女の子です。今Aちゃんは「ピーターラビットピアノの本」の2巻を進めています。
 タッチの弾き分け、アーティキュレーション、テンポ感など、全て妥協しないようにとレッスンをしているので、1曲に本当に本当に時間がかかるのですが、今ではAちゃんにとっては、このレッスンが普通で当り前のことであり、1曲を深く勉強することができるとても良いレッスン状態です。しかし初めからこの"良い状態"ではありませんでした。
 Aちゃんが入会した4月、この時まだ「ピーターラビットピアノの本」は出版されていませんでした。出版まで待とうと考えていたのですが、ワークでの導入も良く理解し、ノートでのリズム打ちなどもとても良くできたこともあり、「グローバーの導入編」を導入教材に使うことにしました。グローバーも、ゼミで勉強した教材でしたので、1曲ずつにこだわって進めていきました。声部の弾き分けも、ある程度できるようになり、この本が終わろうとしていた時、「ピーターラビットピアノの本」が出版されました。
 最初は2巻からと考えていたのですが、やはり1巻での「音の聴き方」や「奏法の違いで音楽表現が変わること」は、このテキストでないと体験できない! と改めて実感し、今までの復習も兼ねて1巻から学習することになりました。
 Aちゃんにとっては"簡単"に見えた1巻のようでしたが、進めていくと、マルカートやテヌートの弾き分けや細かいアーティキュレーションの違いなど最初はできないことがたくさんありました。
 ある日、Aちゃんがレッスンの始めに言いました。
 「ドレドレとドシドシの簡単な曲なのにね。 ってお母さん が ...。」私は、大切なことをお母さまにお話していなかったことを反省し、この日のレッスン後、直接お母さまにお会いして今体験していることがこれから音楽していく上でどんなに大切なことかということを、私のまとまらない言葉で、一生懸命お話しました。
 「ドレドレ」「ドシドシ」であっても奏法が違えば表情が変わってしまうこと、またその違いを自分の耳で聴き分けなければならないこと ...。智恵先生の言葉「譜読みは少なく、課題は深く」。伝わったかなぁ ...。
 次の週からAちゃんはだんだんと生き生きしてきました。
 「み?んなおなじおとなのに、ひきかたとか、はやさがちがうと、なんだかちがうきょくみたい。」ある日Aちゃんが言いました。
 心の中で「ヨシッ」とガッツポーズしました。本当に信じてレッスンしてきて良かったと思った瞬間でした。
 連絡ノートにもお母さまから「ピーターラビットの絵本買いました。家で本を読みながら、楽しんでピアノを弾いています」と一言書かれていました。
 こちらの気持ちが伝わったことで、本当にレッスンしやすくなりました。
 これからも1曲1曲に深く時間をかけ「ピーターラビットピアノの本」をAちゃんと楽しんでいこうと思います。 そして自分のレッスンに対する考えや教本のことなどは、はっきりと伝わるまでお話するべきであると改めて思いました。
 やはり、信頼関係があってこその充実したレッスンがあると思います。
(埼玉県加須市 F.K.)




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