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「ちえの輪倶楽部」は、音楽教育家・北村智恵を中心とした、ピアノ指導者サークルです。
音楽セミナーやイベント、コンサートを企画・運営、またピアノ指導者のネットワークづくりを行っています。

会員レポート

北村智恵・講座「研究課程 モーツァルト―ピアノソナタの研究」

2003年

 初めてモーツァルトのソナタを弾いた時はそれまで弾いていたソナチネに比べ、ぐっと洗練された響きがうれしく、また自分がとっても上達したような気分になったものでした。ところが、大学に入学し、試験の課題で久々に練習してみるとその難しいこと... それ以来『聴くのは好きだけど、弾くのは苦手』になってしまいました。智恵先生の講座ならきっとこの苦手意識を克服できるはず、と受講させていただきました。
 まず、モーツァルトとハイドンやベートーヴェンとの違い。生い立ちに始まり、性格や作風、作曲に対しての意識、その中でのピアノソナタの位置付け等大変興味深く、また先生の知識の深さや視点の鋭さに改めて感心させられました。
 次に幼年時代の作品を幾つかとりあげて分析。モーツァルトが五歳の頃から作曲していたことは知識としては知っていましたが、その作品の中にヘミオラを感じさせるものや休符の美しさを際だたせたもの、ロマン派を感じさせる半音階進行を使ったものなどが、すでに存在していたことには、私を含め受講していた方の多くが感嘆したと思います。
 いよいよソナタに入るとその思いはさらに強くなりました。一見すると単純な楽譜から謎解きやだまし絵、あぶり出しのように次々と 多彩な要素が浮かび上がってきます。「ソナタという枠の中で持ちうる作曲技法を精一杯駆使している」と、智恵先生がおっしゃられましたが、どの曲に関してもまさにその通りで、聴いている者に違和感を持たせない範囲で新しい試みがなされており、演奏する者には課題満 載なのです。智恵先生はモーツァルトらしく弾くために幾つかのポイントを示されました。指のコントロール、音色の他の楽器への置き換え、ペダリング、速度記号の解釈、曲想や音型によるデュナーミクのコントラスト、リピートの持つ意味、その曲が作曲された場所を知る こと等です。これらを考えることで、どういった演奏が要求されているかが見えてくるのです。
 毎回講座前には自分なりに分析し弾いてもいましたが、講座を終え弾いてみると、あまりの違いに唖然とすることばかりでした。また、 受講者の方々の演奏も自分とは違う視点に気付かされたり、智恵先生のアドヴァイスによってさらにすてきな演奏になったりすることも大変楽しみな講座でした。
(熊野市 A.T.)




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