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「ちえの輪倶楽部」は、音楽教育家・北村智恵を中心とした、ピアノ指導者サークルです。
音楽セミナーやイベント、コンサートを企画・運営、またピアノ指導者のネットワークづくりを行っています。

会員レポート

ちえの輪倶楽部会員 個々の活動

2003年

お年寄りの笑顔
 ボランティアで老人ホームへピアノを弾きに行くようになってから二年半になりました。
 六十歳になった時 「長年志してきた音楽で何か人様のお役に立つことが出来たらなあ」 と云う思いにかられました。
 丁度その頃、近くに立派な特別養護老人ホームが建設されました。私は早速ボランティアでピアノを弾きにいこうと思い立ち、申 し出ました。
 お昼のくつろぎのひととき、BGMのつもりでポピュラーのピアノ曲を数曲弾いていたのですが、なつかしい日本の歌、想い出の曲 を弾いてみますと急にお年寄りたちがメロディーを口ずさみ始めました。「自分たちも歌いたい」 と云う気持ちがありありと伝わっ て来ましたので次回からは、ピアノの周りに集まって頂いて一緒に歌うことにしました。
 季節の歌を取り混ぜて歌いやすい曲から長い曲へと五~六曲組合わせ、歌詞を大きく拡大した歌詞綴りを作り一人一人に手渡して 歌うと云うやり方にしました。もう四十冊以上になっています。
 明治・大正・昭和と歌い継がれてきた童謡・唱歌そして日本の抒情歌は歌詞と曲が密着しており、歌詞の情景が目に浮かび、何と も素晴らしい曲ばかりです。歌いながら涙ぐむ方、「なつかしいなあ !!」と感嘆の声をあげる方、急に昔のことを思い出して大きな 声で話しかけて来る方たち、そんなこんなの場面に出会いながら私も一緒に感動しています。歌ってばかりも疲れますので、中間に、 リハビリを兼ねて手足や体を動かしながら歌える曲やタンブリンや鈴を使ってリズム打ちをしたり趣を変えています。いつの間に かこの時間は、ホームの職員やボランティアでお手伝いに来られている方達も一緒に参加して歌ったり、合の手も入れたりして盛り 上げて下さいます。後半は歌謡曲です。「上を向いて歩こう」 「こんにちは赤ちゃん」 「王将」 など、とても喜ばれます。最後はどう しても 「青い山脈」 を歌いたいと云われますのでこの曲を歌って終りにしています。毎回五十人余りの集いです。
 残念なことにピアノが古いもので、何とかもう少し新しいピアノで綺麗な音を聴かせてあげたいと云う気持ちから 「眠っているピ アノがあったら譲って戴けませんか」 と云う呼びかけをしていましたところ、100歳になられた入居者の御家族が 「どうぞピアノに 使ってください」 と云ってホームに100万円を寄付して下さいました。思いがけない有難いことで感謝しつつ、是非ともグランドピ アノを購入して頂くようホームにお願いし、楽器店と交渉に交渉を重ね新品のグランドピアノが年末に運び込まれました。
 早速 「ピアノ開きを」 と云うことになり、年明けの一月半ばプロのソプラノ歌手をお招きして皆さんが知っているなじみの曲、し かも格調の高い日本の歌を素晴らしいお声で歌って頂きました。館内のホールは百数十人の方々でいっぱいでした。誰もが感激し、 お年寄りの感嘆の声も飛び交いました。素晴らしい生の演奏を聴くことがどれだけ人の心を感動させ、喜びと活力を与え、心を甦ら せるものかと身にしみて感じました。最後は皆さんと一緒にいつもの数曲と青い山脈を歌って終りました。お年寄りの満足げのあ の笑顔は忘れられません。毎週一回訪れるボランティアですがこれからも続けられるだけ続けたいと願っています。
(京都市 Y.Y.)




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