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「ちえの輪倶楽部」は、音楽教育家・北村智恵を中心とした、ピアノ指導者サークルです。
音楽セミナーやイベント、コンサートを企画・運営、またピアノ指導者のネットワークづくりを行っています。

会員レポート

ちえの輪倶楽部会員 個々の活動

2003年

「発表会の企画」について―『発表会を見つめ直して』上―
 「発表会は自分自身を問う場、問われる場です。」と智恵先生に教えていただいてから4年が経ちました。この言葉を気にしつつも、 参加意識の低さや、マナーの悪さなど、毎年改善できずに反省ばかり...。
 そうして去年の発表会が終わった時、次回こそは生徒のためになる発表会にしよう、といつも合同で発表会をしているN.Y.先生とH.A.先生の三人で決心し、次の月から月一回集まり、話し合いを重ねてきました。その中で、智恵先生に発表会のとり組み方へのアドヴァイスをお願いしたいという気持ちが起こり、ちえの輪倶楽部の力を借りて、半年前からアドヴァイスをいただき、今月21日本番を迎えます。
 私たちのプログラムは、毎年第一部は独奏の部、第二部はアンサンブルの部です。アンサンブルの部ではこれまで、『世界の音楽』や 『乗り物の音楽』など、テーマにそった曲を演奏してきましたが、みんなでひとつのものを作っているという意識が育たず、自分の演奏だけで他は無関心という生徒が多いのが悩みでした。今年は『ピーターと狼』を選び、ナレーションを智恵先生にお願いし、三つの教室の生徒全員で全曲を演奏することにしました。これまでのようにはしたくないと思い、先生に解決の方法をうかがうと、「発表会当日、物語がうまく進む事や演奏が上手にできる事を成功とするのではなく、あなたたちが目標としている"みんなの心がひとつになること"が達成できて初めて成功といえる。例えば演奏がうまくいかなかった子がいた時『○○ちゃんが失敗したから台無しや。』と言う子がいたり、又『△△ちゃんは上手やから、私はどうでも、あの子がうまく弾ければ成功するわ。』と言う子がいては、例えお客さんに喜んでいただいても失敗です。」と言われました。当日までに連帯感をいかに作っていくか...。これが半年間の宿題となり、心に大きくのしかかりました。一方、物語にあった絵を数人で一枚描くと子どもたちが親しくなってよい、とか保護者には伝える努力を続ければ必ずわかってもらえる。特に新しい事をする時は反発もあるものだが、信念をもって伝える努力を怠らないように、と励ましていただき、勇気がわいてきました。
 こうして3~4月、全員が『ピーターと狼』の楽譜を買い、自分の演奏する部分を練習すると共に、お話を全部読みました。たった2ページ弾く為に95ページもの楽譜をめくってナレーションを読むの?とびっくりした子もいましたが、よく説明すると理解し「図書館にこんな本あったよ。」と絵本を見せてくれたりしました。
 そうしながら、自分の演奏する曲がわかってきた5月、この曲のテーマに使われている七種類の楽器の奏者をお招きして、原曲の楽器の音を聴く会を開きました。それぞれの楽器でのテーマの演奏と、しくみや奏法の色々を解説していただく会です。生徒にとっては目の前で見たり、単独で聴くのは初めてという楽器も多かったようですし、自分が今ピアノで弾いている曲は原曲ではこんな風だったのか、と思ったようです。中には、次のレッスンでピーターのテーマを弦楽器の美しいレガートで表現できた子もいて、私たちの方が変化に驚きました。
 そうして6月15日、智恵先生にも来て頂き、リハーサルを行いました。42人が18のグループに分かれて演奏します。本番一ヶ月前なのに演奏面での不安はいっぱい。楽譜は開け間違う、椅子や足台がうまく交代できない、移動に時間がかかる...と大混乱。積極的に動けない、他人を助けてあげられない、そして何よりも、いいものを作ろうという意欲が見えない!! これまでしてきた事は何の役にも立たなかったのか...と絶望的でした。
 しかし、その次のレッスンで生徒の姿に大きな変化がありました。椅子の移動や譜めくりをやろうと自分から言ってくれる中学生。まだ絵を描いていない子は「早く描きたい!!明日の朝来てもいい?」とせっつき、「CDを買ってもらいました。」と言って毎日聴いている様子の姉妹。相手のパートを歌いながら弾くようになった子。意欲が少しずつ行動に現れてきました。あまり練習しなくて短い曲しか弾いていない中学生の男の子が「みんなで力を合わせるとあんなことができるんだなあと思った。」と言い、今年初めて私たちの発表会に参加する生徒のお母さんは「今まで発表会というと身内の演奏を聴くものと思っていましたけれど、先生の所のは誰に来てもらっても楽しめますね。」と言って下さいました。生徒の絵を載せたちらしも作り、盛り上がってきました。これを本番まで維持し、少しずつでも生徒の成長を応援したいと思っています。




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