ようこそ。ちえの輪倶楽部のWebサイトへ。

「ちえの輪倶楽部」は、音楽教育家・北村智恵を中心とした、ピアノ指導者サークルです。
音楽セミナーやイベント、コンサートを企画・運営、またピアノ指導者のネットワークづくりを行っています。

会員レポート

北村智恵・講座「指導者ゼミ 大人のためのピアノレッスン」

2005年

シニアのためのピアノ講座を立ち上げて
 4年前、指導者ゼミの「大人のためのピアノレッスン」についての講義の最後に、智恵先生がおっしゃった。「家に帰ったらすぐに 看板を出してくださいね!」その言葉がずっと頭から離れなかったのだが、自宅のレッスン室は狭く、2階にあることを考えると、高齢者の方のグループレッスンは無理とあきらめていた。しかしある時ふとひらめいた。「そうだコミュニティセンターがある!」私の住んでいる市には市の管理する4つのコミュニティセンターがあり、市民にとってはなじみ深く通いやすい場所である。早速企画書を手に直談判に行った。
 「こんなことをやりたいのですが... 」
 ―― 「はあ? でもこんなん人集まりますかねえ?」
 やはり... 。しかし私には強い味方があった。それは、智恵先生の「シルバーエイジの今からピアニスト」の教室を取材したNHKのテレビ番組「にんげんドキュメント」のビデオである(智恵先生、勝手に使ってすみません)。義母がこのセンターの運営委員をしていることもあり、無理矢理ビデオを見てもらった。効果はてきめん。
 「いやあ、感動しましたわ。やりましょう!」
 昨年4月「シニアのためのピアノ講座」と題して募集が始まった。あっという間に20名が集まりキャンセル待ちまで出てしまった。 そして講座がスタートした。緊張した面持ちの生徒20名が私の前にいた。その中にはなぜか義母の姿も。姑というプライド(?)を捨てて申し込んだその意気込みに脱帽してしまった。私よりずっと年上の生徒たちが、私の話に食い入るように耳を傾け、恥ずかしそうにピアノの前に座る...その姿を見るだけで頭が下がった。「何とかこの人たちのためにがんばろう。私の持っているものをすべてぶつけよう。」素直にそう思っている自分がそこにいた。毎回の講座は本当に楽しいものだった。私のキャラクターのため(?)か、笑いの絶えない講座となった。
 そうして今年5月、開講から1年を迎え、いよいよ初の発表会を行うこととなった。当日は地元のローカル紙も取材に訪れ、出演者たちの緊張度がさらに増す事となったが、智恵先生のスタイルを真似させていただき、一人ずつのインタビューをはさむことで笑いいっぱいのコンサートになった。生徒たちは「シルバーエイジの今からピアニスト」の中の曲を熱演。とても暖かい拍手を頂き、満面の笑みを浮かべてステージに立っていた。終演後の打ち上げで、生徒たちは「初めは発表会なんて絶対いややと思ったけど、やってよか ったわあ。」「人に聴いてもらえるのって楽しいねえ。」と、それぞれ感想を言い合った。そんな中、一人の人が「皆で一緒にがんばってきたからできたんやねえ。ほんとにこのメンバーがいてくれてよかったわ。」としみじみと言った。皆、うんうん... とうなずいていた。レッスンで素敵な演奏が披露されると「うわあ ... 素敵!」と拍手が起こり、練習不足で思うように弾けない人には「そんな時もあるしちょっとずつでいいんよ。」と励ましあっていた仲間。私が言う一言より、よほど頼もしい言葉であった。
 彼女たちは目下、「エリーゼのためにをあなたのために」に奮闘中。中には毎日2時間の練習を欠かさない人もいて、その熱意たるやもう私も足元にも及ばない。それぞれが、自分自身の「エリーゼのためにを あなたのために」を楽しもうとするお手伝いができることが、私は楽しい。そして、講座は2期目を迎えた。また20名の人たちとともに、笑いあり、やっぱり笑いあり、の時間を過ごしている。やはり私はこの仕事が好きなんだなあ... と実感する。そこに人がいて、そして音楽がある時、私はいつの間にか夢中になってしゃべりまくり、歌いまくり、弾きまくり、笑いまくってしまうのだ。なんて幸せな人生だろう... 。
 ところで義母は... 。新しい曲に入るたびにこうのたまう。「もう! 何でこんな難しいの~! 智恵先生に言うといてぇ~ 。」そして 2週間後。「いや、なんか弾けてきたわ。いやあ、弾けるやん。やっぱり考えてはるわァ 智恵先生は... 。」
 ―― 偉大なる義母に拍手。
(京都府城陽市 K.K.)




前の記事→北村智恵・講座「指導者ゼミ ピアノを教える人に(2002.4~2004.3)」
次の記事→ちえの輪倶楽部「スポットカルチャー」

MENU

ページのトップへ戻る