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Soave
「春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて」と清少納言が「枕草子」に書き付けたように、夏という季節の中では、夜が一番趣があって良いというのは何となく共感できます。秋・冬のように夕方ストンと暗くなることはなく、山の端に日が落ちていく前後の空の色も日により、1~2分差でも変化する色彩が美しく、ふと暗くなった瞬間、昔の人が「逢魔時」(おうまがどき)と呼んだ気分がよく解ります。
今、私が住んでいる家は、阪神大震災の翌年の立て替え以前・以後を含め、ここに五十数年住んでいますが、二十歳過ぎでここへ引っ越してきたとき、うちの庭にはまだ、近くの摂津峡から2~3匹のホタルが飛んできていました。蚊が入るのに、ホタルを呼び込もうとして、母が網戸を開き、部屋を暗くしてじっとしていたり、ある時など、捨てるつもりで置いてあった蚊帳を吊るして、ホタルを「うちわ」で誘導し、うまく入ってくれたことを親子で大騒ぎして喜んだことを思い出します。
今では夢のような話ですが、その頃はまだ家々に緑の木や花壇があり、雑木林や小川や、さりげない自然が残っていました。近頃建築されたお家は緑や花々よりも、車を置くためのスペース(ガレージ)が最優先されているため、アスファルトの道に加えてコンクリートの部分が多いので、ホタルもきっと、川端から遊離してわざわざ住宅内まで飛んでくることなどなくて当然のことと思います。我が家の庭に母が植えていた「蛍草」もいつのまにか消滅してしまいましたが、夢のような思い出だけが、今も私の心に残っています。スマホで撮影することも写メで人に送ることもできませんが。
北村智恵

for piano teachers
音楽教育家・北村智恵先生の
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